めざせ!秘湯の野湯『香草温泉』ということで、温泉が湧き出ていると言う草津白根山に詰め上げる毒水沢で沢の登り納めをしてきました。
この沢は温泉マニアには有名なようで、大沢川水系の毒水沢と言います。用意周到で計画が持ち上がったわけでなく、まず行ってみたいんだけど…から持ち上がって、ネットで遡行図を見つけるといういつも通りのユルさで始まりました。
トイレのある天狗山第一駐車場で朝のお勤めを済ませ、多少でも近い場所の第5駐車場に移動、車をデポして歩き始めます。ゴルフ場横の芳ヶ平の緩い登山道をを歩くこと1時間半で入渓地点。沢道具を身につけて一歩川に踏み出すと・・冷たくない。上流は温泉が湧き出しているんでしょう。身構えたものの何やらいつもの冷たさを感じません。これは楽しくなってきました。どんなんだろうと好奇心に火がついてしまう。
標高でいうと1560m付近から入渓。奥多摩や奥秩父の沢ではまだまだ緑が生い茂るほどではあるのですが、火山である故か最初から開けて明るく、茶色い沢床が続き、予想以上の美渓で歩くのも楽しくなります。フエルトの沢靴を履いてきたが、アクアステルスでも良く効くんじゃないだろうかと思えるくらいのフリクション。いくつか小滝を越えると現れる25m大滝は右から巻き、小滝を越え、キレイな3段10mの滑滝はフリクションを利かせ登ります。
登るにしたがって少しづつ水の温度が上がって行き、ワクワク感も上昇してしまいます。透明で綺麗な水だが、魚はいない。すると天然のサウナを発見!喜んで中に入ってみても硫化水素を浴びるので息苦しかったりする。サウナの前のタイドプールのような溜まりは本当に温泉になっていた。
天然の野湯の湯釜には番号も書かれている。でも、どれも浅くスコップを持っては行ったけれど、固くて掘ることも出来ません。それでも湯の花も混じる温泉に皆はしゃぐ。本日の目的無事終了。。
しばらく温泉で遊び、少し歩くと二股になる。一応ミッションも終了して沢登りも飽きてきたので、そろそろ終了しようと左岸の踏み跡をトレースして藪漕ぎの開始。本来はつめ上がれば藪こぎもなく登山道に上がれるが、現在は火山の立ち入り禁止区域に入ってしまいます。最後に怒られてしまうのもなんなので、楽しいとこ取りで早期終了と相成りました。
この藪こぎ、最初は草原みたいで気持ち良いのですが、最後は背丈を越える藪を必死で漕いで、あるべき登山道へ向かって方向だけ確認しながら漕いでいると登山道に飛び出しました。登山道で腰を下ろし、沢の装備を解き、鼻歌が出るような快適な道を小走りに駆け下りながら入渓ポイントである毒水橋に戻る。帰って山と高原地図を確認すると、この毒水橋には危険の丸危マークが付していました。自己責任でということになるのかと思いますが、とても楽しい遡行でした。